計画研究: A04 ニュートリノで探る深宇宙


 弱相互作用にのみ感応する素粒子であるニュートリノは、電磁波による天文学では探査できない宇宙最深部の高エネルギー現象を直接探査することを可能にする。本研究では南極点直下深氷河に展開する世界最大のニュートリノ検出装置 IceCube 宇宙ニュートリノ望遠鏡及びその拡張となるARA実験による最高感度の観測を通じて、超高エネルギー宇宙(素)粒子生成機構解明を目指す。
 静的に見える宇宙は実は極めて動的であり、地球上に存在するいかなる粒子加速器によっても届かない超高エネルギー領域にまで物質を加速させている。陽子・中性子などの高エネルギー粒子放射の主成分がどのように加速・放射されてきたのかは、宇宙線としてその存在が確認されてから100年が経過した今も理解されていない。この加速現場を磁場中でも直進し透過力に優れるニュートリノで直接捉えることにより、この宇宙物理学上最も基本的な問題の一つに解答を与えることができる。


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