計画研究: A03 大気ニュートリノを用いた質量階層構造の研究と次世代研究フロンティアの発展


 本研究では、大気ニュートリノを用いた質量階層構造等のニュートリノ振動研究と、次世代実験実現のための準備研究を行う。 前者では、「スーパーカミオカンデ」検出器において取得された高統計かつ高精度の大気ニュートリノ観測データを用いて、ニュートリノの質量階層構造の世界最高感度での研究と世代間混合の精密測定を行う。さらに後者では、次世代ニュートリノ検出器「ハイパーカミオカンデ」のための要素技術開発を行い、測定器技術を確立する。本研究で解明を目指すニュートリノの質量階層構造は、次世代実験ハイパーカミオカンデにおける粒子・反粒子対称性の破れの発見の可能性を高め、二重ベータ崩壊実験によるニュートリノのディラック/マヨナラ性の決定可能性を明らかにする、将来の研究の重要な礎となる。

○スーパーカミオカンデとは
 スーパーカミオカンデは、世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置です。1991年に建設が始まり、5年間にわたる建設期間を経たのち、1996年4月より観測を開始しました。スーパーカミオカンデ実験の目的の一つは、大気ニュートリノ、太陽ニュートリノ、人工ニュートリノなどの観測を通じて、ニュートリノの性質の全容を解明することです。1998年には、大気ニュートリノの観測により、ニュートリノが飛行する間にその種類が変化する現象(ニュートリノ振動)を発見しました。
スーパーカミオカンデ ホームページ




○ハイパーカミオカンデとは
 ハイパーカミオカンデ実験では、これまで培ってきた高いニュートリノ実験技術をもとにさらに実験感度を向上させます。検出器は、直径74m、深さ60mの円筒形のタンクが2個から構成されます。タンクの体積は1基あたり26万トン、有効体積は19万トンでスーパーカミオカンデの10倍です。スーパーカミオカンデの100年分のデータがハイパーカミオカンデでは約5年で得られることになります。
 陽子崩壊の発見やニュートリノのCP対称性の破れ(ニュートリノ・反ニュートリノの性質の違い)の発見、超新星爆発ニュートリノの観測などを通して、素粒子の統一理論や宇宙の進化史の解明を目指します。国際研究プロジェクトとして世界の研究者が協力し、2026年の実験開始を目指しています。
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