目次

高エネルギー物理学研究室ってどんな感じ?
特に学部生の方には想像がつきにくいと思います。
ここでは高エネルギー研究室での生活をQ&A方式で紹介します。

高エネルギー物理学って何?

a 簡単に言えば"高エネルギー物理学"="素粒子物理学"です。ではなぜ"高エネルギー"と呼ぶのでしょうか? それは我々の研究目的が原初の宇宙に近い高エネルギーの状態を実現させ,そこで起こる物理現象を研究することで 物質を支配する根源的な法則を解明することにあるからです。これを達成するために加速器のような 高エネルギー状態を作ることができる装置を建造し,実験を行います。

何をやっているの?

a 我々の研究室では現在の宇宙の有り様(何故物質はたくさんあるのに反物質は存在しないのか) を解明するため ニュートリノ振動実験、K中間子稀崩壊実験、ATLAS実験、AXEL実験の大きく分けて4つのグループに分かれて研究を行っています。 各グループの詳細は、研究概要を御覧ください。

研究って具体的に何をするの?

a 実験を行うには大きく分けて、「検出器の開発」「本実験」「実験の解析」の3つの段階があります。 我々の研究室では大抵の場合修士過程の2年間で「検出器の開発」、博士課程で「本実験」「本実験の解析」を行っています。 各段階でどのようなことを行うかは以下のとおりです。

検出器の開発
実験を行うにはまず"どのような検出器を作れば良いか"を決めなければなりません。 そこでパソコンを使ったシミュレーションや、実験室でのテスト実験を行い、どのような検出器を作るか決定します。 次に具体的にその検出器を設計します(検出方法の決定,検出装置の設計,電子回路の開発など)。 それが終われば試作機を作り加速器を使ったテスト実験を行い,本実験で要求される 性能を満たすかを確認し,改良を加えます。そして最後に本番用の検出器の制作を行います。
本実験
本実験を行うにはまず各自が開発した検出器を全て組み込み一つのシステムとして構築する必要があります。 そこでこれを達成するためのプロゲラムの開発を行います。その後全体のシステムが完成したことが確認できれば いよいよ本実験が開始されます。本実験では当番制で検出器が正常に動いているか,おかしな現象が起きていないか を監視します。また実際に得られたデータを解析し、検出器群が期待通りの性能を達成しているかや実験装置の 中で起きている物理を探ります。
実験の解析
実験の解析で一番重要なのは"如何にして自分たちが欲しい情報を取り出すか"です。 しかし実験データから直接欲しい情報を取り出そうとするとそこに人間の作為が入り込み,客観的な結果 を得ることが出来なくなってしまいます。そこでシミュレーションと実験データの一部を使って いらない情報を取り除く手法を確立します。そして最後にそれを自分達が解析するデータに当てはめることで 客観的な結果を導き,その物理学的意味を考察します。

以下では以前研究室で行ったアンケートをもとに質問に答えて行きます。

1日どれくらい研究室にいるの?

a 15〜20時間と答えた方が3人、10〜15時間と答えた方が9人、それ以下と答えた方が6人で、平均すると13時間という結果でした。 13時間というと働きすぎという感じがしますが、研究室にいる間ひたすら研究しかやっているわけではなく、 午後のコーヒーブレイクや夜のコーヒーブレイクで談笑したりとみんなで楽しく研究生活を送っています。 working timeはちゃんと朝からやって来る人もいれば昼頃や夕方からやって来る人もいてかなり自由です。

1日の睡眠時間は?

a 8〜9時間と答えた方が7人, 6〜7時間が9人, 4〜5時間と答えた方が2人でした。

週何日休みがあるの?

a 2日と答えた方が9人, 1日〜2日と答えた方が6人, 0と答えた方が3人でした。 忙しい時はもちろん休めませんが,「休みの日はちゃんと休んで月曜日からまた頑張る!」というのが基本スタイルです。

出張はどれくらいあるの?

a 150日以上と答えた方が5人, 50〜100日以上と答えた方が4人, それ以下と答えた方が9人でした。場所はKEKやJ-PARC, CERNが多いです。我々の研究室では今まさにJ-PARCで実験を行っている段階なので 出張する機会が多いと思われます。

卒業後の進路は?

a 学部生の方だと卒業した後どうなるかが気になるかもしれません。 例年、当研究室の修士学生の約半数が博士後期課程に進学します。 修士で就職された方は様々な分野の職業、 博士を卒業して就職された方々は主に研究所や大学院のポスドクとしてご活躍なさっています。 就職先の詳細は、OBOG名簿を御覧ください。