前置on-axis検出器:INGRID
T2K実験はビーム方向とスーパーカミオカンデの方向をずらすことでエネルギーの広がりの少ないニュートリノビームをスーパーカミオカンデへ向けて発射しています。そのため、ニュートリノビームの方向を精度よく図る必要があります。INGRIDは前置検出器ホールのビーム軸上(on-axis)に設置され、直接ニュートリノを観測し、ニュートリノビーム方向のモニターする検出器です。
右図のような鉄とシンチレーターのサンドイッチ構造をしたモジュール(~7ton, ~1.5m^3)をビーム中心付近に縦横7個づつ設置し、各モジュールでニュートリノ反応の数を数えてビームプロファイルをモニターします。
京都グループはこの検出器を運営し、ニュートリノビームの安定性を常時監視しています。
またすべてシンチレータで構成されたProtom Moduleを開発し反応断面積の測定や、モジュール間のエネルギースペクトルの違いを利用した反応断面積の測定なども行ってきました。