実験プロジェクト

CMB観測

GroundBIRD

広視野CMB望遠鏡を高速に回転する観測手法で、カナリア諸島から全天の約半分を観測します。観測領域の広大さを生かし、原始重力波に由来する偏光パターンBモードを捉えます。2020年の9月にテネリフェ島のテイデ観測所に設置完了し、月を初観測しました。

GroundBIRD望遠鏡開発チーム
GroundBIRD望遠鏡
開発チーム
回転する望遠鏡
時事通信社「原子重力は探る望遠鏡公開」より

Simons Array

Simons Observatory
Simons Array 望遠鏡

チリ、アタカマ高地にて3台の中型望遠鏡をつかってCMB観測を行います。 2018年年末に現地での望遠鏡の設置を完了し、天体の初観測をしました。 現在は本観測前の準備中です。


Simons Observatory

チリ、アタカマ高地にて観測を行います。 複数の望遠鏡を使って統計精度を高め、超精密なCMB偏光観測を行います。 2020年の観測開始を目指し、準備が進められています。

Simons Observatory

ダークマター探索

DOSUE-RR

ダークマターの候補であるダークフォトンの探索実験です。 検出器をクライオスタットで覆い冷却することで外部からの熱放射によるノイズを削減し、高感度な探索を実現します。 実験セットアップの設計、組み立てまで行い、正しく冷却できることを確認しました。 今後実際にダークフォトン探索が行われる予定です。

DOSUE_cryo
DOSUE-RR クライオスタット

実験技術開発

超伝導検出器 MKID

CMB偏光の強度は非常に弱いので、超高感度で測定が可能な超伝導体を用いた検出器が必要です。GroundBIRD実験ではCMB業界で初めて超伝導検出器"MKID"を採用しています。当グループでは MKID の評価系の構築及び評価系を用いた評価、読み出しエレクトロニクスの開発を行っています。

3Dプリンタを用いた電波吸収材(黒体)

CMB望遠鏡では、望遠鏡内部にある検出器には望遠鏡内壁で反射して入ってくる迷光が多くあります。それらは300Kの黒体輻射を元にしており、超電導でかつ極低温にある検出器にとって主なノイズ源になります。そこで、望遠鏡内部はすべて黒く塗って、迷光を吸収してやる必要があります。この塗る素材を電波吸収材または黒体と言います。当グループでは、次世代のSimons Observatory望遠鏡のために、従来の黒体より高い吸収率を誇る黒体を3Dプリンタを用いて開発しています(3Dプリンタ型黒体)。

3Dプリンタ型黒体