π+π-の寿命測定によるCPT保存の確認
理論的背景
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目的
詳細は「理論的背景」に譲りますが、π+とπ-は粒子と反粒子の関係にあり、
仮にCPT対称性が破れているとすれば粒子と反粒子では、寿命が異なります(質量も)。
私たちはπ+とπ-の寿命を測定することで、CPTが保存していることを確認しようと考えました。
方法
この実験ではπ+とπ-の寿命の測定をパイオンを飛行させたまま行うことにしました。
粒子の寿命を測定するためには何らかの標的に衝突させ、とめて測定するという方法もあります。
しかし、この方法では負電荷をもつ粒子(この実験ではπ-)の寿命を測定することはできません。
なぜなら標的を構成している原子の原子核は正電荷をもっているため、負電荷をもつ粒子は
電磁相互作用で原子核に引っ張られ、衝突し、強い相互作用をしてしまうからです。
これではπ-の寿命を測定することはできません。
そのため私たちはパイオンを飛行させたまま寿命の測定を行うことにしたわけです。
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