Poissonについて。
これまたお待たせしまして、、、
さておき、磁場につきましては、シムとシムの間で、一様な磁場が欲しい。ということですね。
絵的にいいますと、
シムは直径15cm、高さ約1cm(現在あるもので)、円柱形の鉄の塊であり、上の図はその円柱を直径を通る平面で、バッサリと切った断面図です。真中の軸がz軸になります。
具体的なポイントとしまして、
-
出来れば、1gauss程度の誤差に収めたい。
-
cavityの中で一様性が欲しい。
-
ということは、3cmぐらいの一様性がほしい。
-
cavityの中心と、シムのギャップの中心とは違うので、(z軸方向で)約4mmほど、磁場のピークをずらす。
-
一様性のところでは、6kgauss程度の強さで欲しい。
とゆうことで、シムの形を変えてこれらの問題を解決しようというわけですね。
で、いろいろ試行錯誤してみました。
試行錯誤!
その結果、NMRなどの形を考慮に入れ、次のような形のシムを発注しました。
写真
それぞれの長さ、R1,R2,R3,R4,R5,h1,h2,h3,h4は、
number | cm |
R1 | 15.0 |
R2 | 14.0 |
R3 | 12.0 |
R4 | 10.0 |
R5 | 6.0 |
number | cm |
h1 | 0.04 |
h2 | 0.10 |
h3 | 0.16 |
h4 | 0.24 |
ただし、左右のシムの厚さはNMRが入れられるように、左が10mm、右が9mm、である。
また、写真を見てわかるように、強度等の理由により、裏側は写真のように出っ張った形となったが、
磁場にはそれほど重大な影響を与えていない(シミュレーションにより)。
また、削る以外はほとんど形が同じであったため、今あるシムを削った。。
この時の中心付近での磁場が Poisson によると、どのようになるのかを見ると
Plot 1 (Poissonによるシミュレーション)
「Plot 1」は横軸がz軸上の座標[cm]、縦軸が磁場の「z成分の強さ」[Gauss]で、z=35.0がギャップ間の中心。
しかし、人生ほんまにそんな甘いもんではないですね。
実際に計ってみた結果は、
Plot 2 (実測値)
「Plot 2」は横軸がz軸上の座標[cm]、縦軸が磁場の「z成分の強さ」[Gauss]で、z=35.0がギャップ間の中心。
と、なりました。ではなぜシミュレーション結果と異なってしまったのか?
主な原因と問題点として、
- シミュレーションは理想化しているので、多少は実際の値と異なるはずである。
- シムの表面のさまざまな傷。
- シムの角が削れていることを考慮しなかった。(意外に影響が大きかった。)
- 溶接部分が引っ掛かり、シムとマグネットの間に隙間が出来てしまった。
- その影響により、シムの間に NMR とCavityが同時に入らない。
等が上げられる。そこで、現状と違う点を出来るだけ補正してもう一度シミュレートしてみる事にした。
シムの角を考慮した場合( 0.5mm 削ったと考えて)、
(シミュレーションの計算上、実際よりも若干、計算に都合のいいように形を仮定してます。)
Plot 3 (Poissonによるシミュレーションで角を考慮)
シムの角( 0.5mm 削ったと考えて)と、シムとマグネットの間の隙間
(それぞれ 1.0mm と 0.6mm の隙間がシムとマグネットの間にあると考えて)を考慮すると、
Plot 4 (Poisson,角と隙間を考慮)