素粒子物理学Iレポート解答 No.1(提出期限 4月23日)
合計配点4(注:厳密ではなく、成績の参考資料程度に使う。)
1.
各素粒子の質量と寿命を調べてみて下さい(正確な値で無く、大体のスケールでよい。例チャームクォーク~1.4GeV、寿命10-13~10-12s)。寿命が定義できない場合は、粒子の幅を示しなさい。(例:Wボソン、幅は2.118 GeV)また各素粒子に働く力の種類を答えなさい。(配点1:調べてきた人には全員に1点与えています。)
重力は全粒子に働くのでここではあらわに書きません。また反粒子も粒子と質量・寿命・力は同じなので省きます。クォークの寿命は直接測れるわけではなく、バリオン・メソンの寿命からおおまかな寿命のスケールを表しています。
力の項で“電”は電磁力、“弱”は弱い力、“強”は強い力を表しています。
1−1 クォークとレプトン
素粒子 |
質量 |
寿命 |
力 |
dクォーク |
~10 MeV |
∞(または中性子の寿命の800秒程度) |
電・弱・強 |
uクォーク |
~10 MeV |
∞ |
電・弱・強 |
sクォーク |
100~500 MeV |
~10-10s |
電・弱・強 |
cクォーク |
1~1.5 GeV |
10-13 ~10-12s |
電・弱・強 |
bクォーク |
~5 GeV |
~10-12s |
電・弱・強 |
tクォーク |
~175 GeV |
~10-23s |
電・弱・強 |
電子(e) |
0.511 MeV |
∞ |
電・弱 |
ミューオン(m) |
106MeV |
2.2×10-6s |
電・弱 |
タウ(t) |
1.777GeV |
2.9×10-13s |
電・弱 |
ne |
<1eV |
∞ |
弱 |
nm |
0.008~1eV |
∞ |
弱 |
nt |
0.05~1eV |
∞ |
弱 |
1−2 ゲージボソン
素粒子 |
質量 |
寿命 |
力 |
光子(g) |
0 |
∞ |
電 |
W± |
80GeV |
幅2.1GeV (3×10-25sに対応) |
弱 |
Z0 |
91GeV |
幅2.5GeV (2.6×10-25sに対応) |
弱 |
グルーオン(g) |
0 |
∞ |
強 |
1−3 ヒッグス粒子
未発見。質量は114GeV以上。
2.
π中間子の質量を140MeVとして、不確定性原理、Dl=cDt、を使って仮想π中間子が相互作用を及ぼす距離
を求めよ。(配点1)
Dl~hc/140MeV
={(1.05×10-34[J∙s])×(3×1010[cm/s])}/{(140×106 [eV]×(1.602×10-19[J/eV])
=1.4×10-13cm
3.
式(1.1)の逆変換を求めよ。つまり慣性系Kの座標を慣性系K’の座標で表せ。(配点1)
速度bを-bとすればよい。
4.
エネルギー10GeVを持つ質量500MeV/c2のK+中間子のbとgを求めよ。このK中間子の寿命(静止系で12nsec)は何nsecと観測されるか?(配点1:全問正解で1)
E=gmc2, p=gmbcの関係式よりK+中間子の
g=E/mc2=10GeV*1000(MeV/GeV)/500MeV=20
b=Ö(1-1/g2)=Ö(399/400)=0.9987
ローレンツ変換の式(1.1)[問題3参照]より運動している粒子の寿命は静止している粒子に対してg倍延びるので、
g*12nsec = 20*12nsec=240nsec
5.
選考している課題研究と自分が今後(大学院?)選考したいと思っている物理の分野を教えて下さい。
例:素粒子実験、素粒子理論、原子核理論、プラズマ、光物理学、半導体、生命物理、、、
大半の人がそれぞれ興味を持つ分野をちゃんともっていて、頼もしく感じました。自分の志望通り、将来研究活動ができるようがんばって下さい。もし、相談があれば、授業終了後にでも声をかけて下さい。相談できる時間を見つけます。