K1.1BRでのNCCのビームテスト

左写真はNCCです。NCCは光子検出能力と中性子検出器能力をあわせもつ検出器で す。NCCは分割されたCsI結晶から構成され、波長変換ファイバーとPMTを使用し て信号の読み出しを行っています。今回はJ-PARCのハドロンホール内に 新設された、K1.1BRテストビームラインを使用してハドロン(陽子や荷電πなど) 粒子に対するNCCの応答を調べました。



左図はK1.1BRテストビームラインの実験エリアの様子です。 NCCは写真の下の方にあるブラックシートに覆われた箱の中に入っています。 ビームライン上にはNCCのほかに粒子の識別をするための検出器が置かれていま す。以下に主な検出器をいくつか紹介します。



最上流部にはトリガー用の荷電粒子検出器である、シンチレーターカウンター が設置されています。シンチレーターは荷電粒子が通ると可視光(シンチレーショ ン光)を発光します。この光を光検出器である光電子増倍管(PMT)で検出する 事で荷電粒子を観測する事ができます。



左の写真はガスチェレンコフカウンターです。 物質中の光のスピードは真空中に比べて1/nほど遅くなります。ここでnは物質の 屈折率を表します。そのため、物質中では粒子は光よりも早く動く事が可能にな ります。そして、粒子が物質中で光りより早く動くとチェレンコフ光と呼ばれる 光を発光します。この検出器はこのチェレンコフ光を観測することで電子とそれ 以外の粒子の識別を行っています