"風の見舞い"(旅情篇) 2005.2.25(Fri)-26(Sat) つくばから京都に戻ったときの記録(行きver.)。 行き(つくば→京都)は夜行急行銀河(東京23:00発→京都6:30着)を利用した。 銀河は東京駅を新幹線の終電より遅く出発し、 大阪(京都)に新幹線の始電よりも早く到着する夜行列車。 新幹線に乗り遅れたビジネスマンが利用することを意図した列車であるようだ。 俗に"新幹線救済便"といわれる所以である。 この列車は東京〜京都間を7時間半もかけて走破するのだが、 これは睡眠時間を取るためにわざとゆっくり運行されているためらしい。 何はともあれ、生まれて始めて乗るブルートレイン。興奮しながら列車を待つ。 やって来た列車は、[引っ張る車]-[機械を積んだ車]-[A寝台]-[B寝台]-[B寝台]-...といった感じ。 [機械を積んだ車]が豪快な音を立てていた。 わくわくしながらB寝台に乗り込む。 で、乗った感想は、とにかく揺れる。よって寝心地はイマイチ。 寝台も決して広くはない。 寝返りをうつ、というよりはその場で回転する、といった感じ。 とはいうものの、横になれるのはやはり楽ではある。 夜行バスに比べれば疲労度は格段に低いと思う。 最初は興奮で眠れなかったが、横浜駅を出たあたりで記憶はなくなった。 "…夜も更けてまいりました。車内放送はしばらく休ませていただきます…" 途中何度か目は覚ましたものの、気がつくと京都到着20分前だった。 "みなさま、おはようございます。よくお休みになれましたでしょうか。列車は間もなく…" 夜行を降り、早朝の京都駅に降り立つと不思議な気分になる。 見慣れた駅舎を物珍しそうに眺め、乗ってきた列車の出発を名残惜しく見送る。 勝手知ったる街だが、初めてこの街にやって来た旅人のような気持ちがする。 と言いつつ、迷わず206系統のバス乗り場に直行するのだが。 --- 行きのまとめ --- 意外だった点は、女性客が多かったこと。 ぱっと見た印象では4割くらいが女性だったように思う。 不満点、というか問題点はコストであろう。 夜行バスが約8000円。 のぞみが約13000円。 銀河が約15000円。 これでは競争力が無いのではないか。 実際、週末の便であるにもかかかわらず、かなり空いていたように思う。 結局のところ、純粋な移動手段としては利用価値は低いと思われる。 だが、ありきたりな東京⇔京都の移動で旅情を感じられるのは銀河くらいのものだろう。 乗車した記念に切符をもらってしまった。 "風の見舞い"(生還篇) 2005.2.27(Sun) つくばから京都に戻ったときの記録(帰りver.)。 --- 出発 : 駐車場〜京都東 --- 京都→つくばの帰りは"愛車をつくばに運ぶ"目的のもと、高速を走って帰ることに。 前日に深夜まで起きていたため、この日は寝坊してしまった。 起きてみると11:30。しかも頭が痛い。風邪をひいたのかもしれない。 とにかく準備を急ぐ。結局、駐車場を出発できたのは12:30頃だった。 13:00頃、山科のスタンドで給油。名神高速京都東ICから長い長い戦いは始まった。 IC番号32番。旅が進むにつれてこの数字が減ることになる。1番が東京IC。 --- 頭痛との闘い : 京都東〜[名神高速]〜名古屋 --- 京都東を出てしばらく走ると東京までの距離の掲示があった。 "東京 まで 450km" 遠いのは分かってはいるが、きっぱり言われると辛い。 あまりの距離に、不安を感じる。 名古屋(正確には小牧JCT)までは一度は走ったことがある道。 しかも比較的最近走ったために、気分が上がらない。 頭痛に悩まされながら黙々とひた走る。 ただ、関が原の手前では美しく聳え立つ伊吹山にやや癒される。 養老SAで一休み。 ソフトクリーム(300円)を食べてやや幸せになるも、頭痛がやや悪化する。 風邪で頭痛に冬でソフトクリーム。どうやら選択を間違ったようだ。 気を取り直して先へと進む。 --- 未知なる土地へ : 名古屋〜[東名高速]〜浜名湖SA --- 名古屋ICを過ぎたあたりで東名高速に入る。といってもまっすぐ進むだけだが。 ただ、初めて走る道というだけで気分は上向いてきた。 頭痛もおさまりつつある。天候も良くなってきた。 浜名湖SAで休憩。 東名高速のSAの中でも、特に風光明媚で知られる浜名湖SA。 湖に面した展望台もあって気持ちいい。 ここでは、う餅(うへい)をたべる。300円なり。 五平餅にうなぎがちょっぴり入っている感じ。おいしかった。 風邪で冬に餅。当たり当たり。 浜松からは静岡県。新幹線に乗っていても長い県だ。 ただ、景色は全体的に心地よい。山あり川あり、日本の田舎の風景。 一面茶畑の丘があったりするのはさすがお茶どころ静岡。 --- 霊峰の麓 : 浜名湖SA〜[東名高速]〜富士川SA --- 静岡県を延々走る。と、遠くにおわんをひっくり返したような形の雲が見えた。 よく見ると雲ではなく、富士山が山の向こうに頭を出しているようだ。 東に来た気がして勇気付けられる。 さらに進むと富士山の全容がはっきり見えてきた。 高い。ただ高いのではなく、どっしりと広がりを持つ高さ。しかも周囲に高い山がない。 古人がこの山に特別な思いを託すのも当然と思える。 少しずつ日が傾き始め、夕日に赤く染まるその姿は感動的なほどだった。 絶景ポイントは由比PAの手前。駿河湾の向こうに富士山が見える。すばらしい眺め。 由比PAで富士山の写真を撮る。ここからは駿河湾が見えず、やや残念。 さらに富士川SAで休憩。 スターレットにご飯(レギュラー)をお腹一杯(満タン)あげる。 でも、人間の方は何も買わなかった。 --- 首都圏と渋滞と : 富士川SA〜[東名高速]〜東名東京IC --- 富士山が視界から消えると間もなく道は山に入る。 東海道では箱根にあたるが、東名高速は箱根の北を迂回するようなルートをとる。 そのため、長いトンネルもなく、あっけなく神奈川県入り。 この辺りから少しずつ街になってくる。交通量も少しずつ増えてきた。 そして、ついに厚木で渋滞開始。掲示では横浜町田まで約11km。 愛車はMT車なので渋滞だけは苦手。非常に疲れる。 ラジオを聴いて気を紛らわせる。"あなたは朝型?夜型?"とかいうのをやっていた。 僕は間違いなく夜型だ。今日も寝坊したし。 渋滞中に日が暮れた。かなり眠いが踏みとどまる。 渋滞を抜けてしばらく走ると本線料金所"東京"。 ここが長かった東名高速の起点。"あと 450km"の地点である。感慨ひとしお。 --- 首都高速デビュー : 東名東京IC〜[首都高速]〜三郷JCT --- [首都高のルート : 3号渋谷線→C1都心環状線(左回り)→6号三郷線] ここから首都高速に入る。当然生まれて初めて。これで僕も首都高デビュー。 で、デビュー早々渋滞の洗礼を受ける。3号渋谷線で断続的に7kmほど。 だいぶ疲れてしまったが、やはりラジオで切り抜ける。落語は好きだ。 首都高のルートは複雑。 環状線を挟んでほぼ反対側にある三郷へ向かうのだが、最適なルートがどれかよく分からない。 驚きなのは環状線に右回りと左回りがあることだ(阪神高速は右回りしかない)。 よって、少なくとも右回りと左回りの選択肢があることになる。 (と単純化して理解できたのは環状線の分岐の少し前の渋滞掲示板だったのだが。) 渋滞掲示板を見て、混雑具合からとっさに左回りを選択した。 しばらくすると東京タワーが見える。東京にいるのだと実感。 分岐を4つくらいこなしてようやく高速バスで見覚えのある道、6号三郷線へ。ひと安心。 首都高速はルートはややこしいがマナーは普通。 道がわかってさえいれば阪神高速よりは走りやすい印象だった。 (というか阪神高速がマナー悪すぎ。) --- つくばへ : 三郷JCT〜[常磐道]〜谷田部IC〜[一般道]〜KEK --- ここからは常磐道。いつも高速バスが走る道だ。 "もうすぐだ"と思う一方、"こういうときこそ気が緩む"と自戒する。 KEKのゲートをくぐるまで気を引き締めていこう。 といっても、交通量も少なく。広々した快適な道。気楽に走る。 守谷SAで最後の休憩。あと一息。 そして、谷田部IC。いつも高速バスが降りるところ。 長かった高速道路に名残を惜しみつつ、僕も一般道へ。 降りた直後に給油する。セルフ式だったが店員さんが親切に教えてくれた。 つくばは少しずつ土地勘がついてきた。西大通から北へ向かう。 いつもいくサイゼリアでやや遅い夕食をとってKEK到着。 宿舎へ倒れこむように入って、今この文章を書いた。 到着〜! --- データ --- 13:00頃 京都出発 21:30頃 つくば到着 所要時間 : 約8時間30分 費用 高速代 名神→東名 [京都東〜東京] : 9850円 首都高速 [東名東京〜三郷] : 700円 常磐道 [三郷〜谷田部] : 1100円 計 11650円 ガソリン代 京都→富士川SA : 3000円 富士川SA→谷田部 : 1300円 計 4300円 合計 15950円 走行距離 : 約550km 巡行速度 : 110-120 km/h (高速道) / 60 km/h (首都高速) 平均車速 : 67km/h (=550km/8.5h : 単純平均) 消費燃料 : 25.64+13.00=38.64L 燃費 : 14.2 km/L 備考 : 渋滞区間 東名道 厚木〜横浜町田 11km 首都高速 3号渋谷線 断続数km