物質効果ありの場合の三世代振動確率 (厳密な取り扱い)

O.L.G.Peres, A.Yu.Smirnov Nucl.Phys. B680(2004) 479 “Atmospheric neutrinos:LMA oscillations, Ue3 induced interference and CP-violation”より

$\nu_f=\pmatrix{\nu_e\\\nu_\mu\\\nu_\tau}$として、その時間発展は、 $$i\frac{d\nu_f}{dt}=\pmatrix{\frac{UM^2M^\dagger}{2E}+\hat{V}}\nu_f$$ で与えられる。ここで、$U$はMNS行列$U_{23}D_{\delta_{CP}}U_{13}U_{12}$で、$D_{\delta_{CP}}=\pmatrix{1&0&0\\0&1&0\\0&0&e^{i\delta_{CP}}}$。$V$が、物質によるポテンシャルの項で$V=\pmatrix{V&0&0\\0&1&0\\0&0&1}$である($V=\sqrt{2}G_FN_e$)。

このHamiltonianを対角化して、固有行列$\tilde\nu=\pmatrix{\tilde\nu_e\\ \tilde\nu_\mu\\ \tilde\nu_\tau}$を求めれば良い。

まず、$\nu_f=U_{23}D_{\delta_{CP}}U_{13}\nu'$で与えられる$\nu'$を考える。すると、$\nu'$に対するHamilitonianは、 $$\begin{eqnarray} H' & = & \frac{1}{2E}U_{12}M^2U_{12}^\dagger+U_{13}VU_{13}\\ & = & \pmatrix{ s_{12}^2\Delta m_{21}^2/2E+Vc_{13}^2 & s_{12}c_{12}\Delta m_{21}^2/2E & Vs_{13}c_{13}\\ s_{12}c_{12}\Delta m_{21}^2/2E & c_{12}^2\Delta m_{21}^2/2E & 0 \\ Vs_{13}c_{13} & 0 & \Delta m_{31}^2/2E+Vs_{13}^2 } \end{eqnarray}$$ となる。この行列にさらに$(\nu_e'-\nu_\tau')$の回転を加えて$H_{13}',H_{31}'$を取り除く。