特定領域「フレーバー物理の新展開」 研究会2007
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フレーバー物理の新展開 概要

特定領域「フレーバー物理の新展開」では、クォークとレプトンのフレーバー物理を探求する目標の一環として研究会を開催します。皆様のご参加をお持ちしています。

- クォークとレプトンのフレーバー物理から探る未知の力 -

背景

 物質を構成する素粒子は、クォークと、電子やニュートリノなどのレプトンである。クォークやレプトンのフレーバー(種類)は、弱い相互作用によって他のフレーバーに変わることができ、これをフレーバー混合と言う。現在観測されている、粒子・反粒子の対称性の破れも、フレーバー混合の現象の中で見つかっている。しかし、フレーバー混合は複雑な構造を持ち,素粒子の標準理論によっても未だに理解されていない。一方,標準理論を超える超対称性などの理論は,フレーバー混合に新しい要素を加えることが知られている

目的と期待される効果

本領域研究は、クォークとレプトンの混合について、実験と理論の両面から総合的・有機的に研究することによって、フレーバーの構造を解明し、標準理論を超える物理を追求することを目的とする。

研究内容

実験の面からは、クォークとレプトン両者のフレーバー混合の過程を、世界最先端の加速器・測定技術を用いて精密測定する。具体的には、クォークのフレーバー混合については、現在建設中のJ-Parc大強度陽子加速器を用いたK中間子の研究、KEKの電子・陽電子衝突実験によるB中間子の研究、米国Fermilabの陽子・反陽子衝突実験によるトップ(t)クォークやB中間子の研究を行う。また、ニュートリノのフレーバー混合については、J-Parcからスーパーカミオカンデにミューオンニュートリノを発射し、電子ニュートリノへの振動の発見、およびヨーロッパのCERN研究所からイタリアのグラン・サッソーにミューオンニュートリノを発射し、タウニュートリノへの振動の観測を目指す。

理論の面からは、上記の実験で得られる結果やLHC加速器から出てくる新たな結果を踏まえ、フレーバー構造の統一的理解と標準理論を越える物理の寄与について研究し、実験にも示唆を与える。