MWPC Simulation
はじめに
- タウンゼントの電離係数を使ったガス増幅モデル。
- drift velocity。
- 温度、圧力依存性。
- 出力波形をいれ、Time Walkを考慮。
これらの効果を入れて、MWPC Simulatorを作成。
Model
Geometry
- MWPC Potential,Field--well known formula
(Document)
Ray
- MIP(初期クラスター数、サイズ)
- incident angle-----ある値を設定
- incident position--一様分布
Gas
- 初期クラスター数は平均39.4個/cmのポアソン分布。(1013hPa,25℃)
CO2::34/cmペンタンは?イソブタンは46/cmで代用して34*0.55+46*0.45。
(いずれもSauli.より)
イスラエルの文献はCO2+n-pentneで42+-8/cm。
初期クラスター数は分子密度に比例。(圧力、温度依存)
- クラスターサイズは最頻値2.04、σ0.135のLandau分布。(平均がおよそ2.4)
0と100を越えるものは除いている。
NIMA301(1991)202-214の文献のクラスターサイズ分布とあうように決めた。
- ドリフト
電場強度変化5%以内、cell sizeの1/10以下のステップ。
(Ex,Ey)の方向へステップ。
ワイヤーからワイヤー径の1/1000の距離まで接近したら終了。
- Drift Velocity
イスラエルの測定結果をフィット。
- ガス増幅過程--Townsend alpha dN/dx = alpha N
パラメータA,B : alpha/p = A * exp(-B/(E/p))
<コメント>
-------この表式と他のガスの例などをいつか書く。。。
- 信号形成
MWPC出力波形テンプレートをgainxcluster sizeでスケールして、
wire到達時間分布にそってたしあわせる。
thresholdを越えるpulse heightでヒットタイムを生成。
(time walk、複数クラスター波形の重ね合わせ考慮)
Class Library
- NMwpc
-----メンバーにNGeom,NRay,NGas,NCluオブジェクトを持つ。
-----NCluは配列でNRayで生成、NGeom,NGasを参照し、ドリフト、ガス増幅。
-----信号波形形成、ヒットタイム計算。
-----CLHEP Libraryを使用。
- NGeom---境界、電場を与える。
- NRay----入射角度を保持、入射場所を振り、初期クラスターの情報生成。
- NGas----cluster size、ステップ、drift velocity、townsend alpha。
- NClu----クラスターオブジェクト。
- NStore--ROOTを使用。ROOT形式のファイルへ情報を格納。
- NUtil---ROOTを使用。様々なutilityの集合。
- 電場、ポテンシャルの表示。
- drift velocityの表示。
- drift velocity.vs.E/pの表示。
- townsend alpha.vs.E/pの表示。
- gainの初期クラスター生成場所依存を表示。
- TDC,ADC分布の表示。
- MWPC output波形の表示。
- 初期クラスター数分布の表示。
- クラスターサイズ分布の表示。
- イベントディスプレーの表示。
- 対話シェル---interactiveに各種パラメータを変え、シミュレート可能。
例)
- ギャップを100um変化させて、gainの変動をみる。
- 温度、圧力を変えて、gain,efficiecyの変化をみる。
- HV、thresholdを変える。townsend係数のパラメータを変える。
- 途中でADC、TDC分布、efficiency,gainを見る。
- 分布、イベントディスプレーをps/eps/gif形式で保存、などなど。
Program
- nfint------interactiveセッション。
- nfint [???.conf]とパラメータ指定ファイルを読み込める。
- パラメータ指定はinteractive sessionと同じ文法。
- interactive session>? <--コマンドHelp 表示。
- interactive session>H <--パラメータ設定Help 表示
- nfhvscan---HV scan。
- nfhvscan [event number/HV] [???.conf] [???.root]
- nfhvscan [event number/HV] [???.root]も可能。(default parameter)
- nfthscan---threhold scan。
- nfield-----例。
- Efficiency、出力電荷のHV curveをほぼ再現。
X5では気圧965[hPa]が効いて、2.7kVでプラトー。
- 低いHVでTDC分布の立上りが鈍る理由は、
- ゲインが下がり、Time Walkを受けやすくなる。
- 1クラスターではthresholdを越えず、後続クラスターが必要。
- ワイヤー近傍3,400umの領域からスタートするクラスターのガスゲインが低く、
早く到達するものはゲインが低い傾向にあり、Time Walkもくらいやすい。
- おまけ。X5でのchamber間のHit Timingの相関について。
大下君報告の件ですが、chamber A/Bを考え、20度入射muonに対し、
- A、Bのwireが重なって見える場合。
Aでmuonがwire近傍を通過→Bでもwire近傍を通過。両方とも到達時間が早い。
Aでmuonがwire遠方を通過→Bでもwire遠方を通過。両方とも到達時間が遅い。
timingは正の相関。
- A、Bのwireがずれて見える場合。
上とは逆になり、timingは逆相関。
- X5の結果とシミュレーション。
- 実験ではダブレットの単位では逆相関(トリップレットの中でも。)
トリプレットの1と3ではやや正の相関が見える。
- たまたまダブレット単位をみると、wireのshiftが0.9mmに近く、
トリプレットの単位では0mmに近かったのでは。
To Do?????
- 実験との詳細な比較。
- ガス増幅で、α効果の他、γ効果、η効果を入れる。
- 空間電荷効果を入れる。
- 増幅したイオンで自分自身の電場を弱める。
- 残留イオンで後続クラスターに対する電場を変更。
- NGasクラスをBaseに各種ガスクラスを派生。
- αの別の表式。
- パラメータのチューニングの自動化。
- 電子輸送、ガス増幅過程そのもののシミュレーション。
----電子分子間の各種過程の断面積から計算。
- 対話シェルの向上--history,key binding,...
E-mail:
nanjyo@icepp.s.u-tokyo.ac.jp
by Hajime NANJYO